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二回試験とは
・二回試験とは
二回試験とは司法修習の最後に行なわれる卒業試験のことです。正式名称を司法修習生考試といいます。
この試験は和光市にある司法研修所にその年度の司法修習生全員が集まって行われ、5日間をかけて、民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目の試験を受けることになります。
この試験は毎科目ごとに丸1日をかけて計5日間にわたり行われる過酷なもので、修習生は各自弁当を持ち込み、昼食をとりながら答案を作成します。
この試験に合格し、司法修習を修了したと認定されれば、法曹になる資格を得られますが、法曹資格は法曹三者になる資格を意味しますので、1科目でも不合格(不可)が出ると司法修習を修了できないこととなり、来年に行われる試験まで1年間勉強して過ごさなければならないことになります。
このように過酷な試験であるうえ、二回試験の不合格者は1割程度発生する年もあり、司法修習生としては司法試験に合格しても気が抜けないということになります。
・修習生の知恵
二回試験は、司法修習生の間の認識では、任官することを予定しているものを除いて、基本的に不可さえださなければよいとされています(任官者は出世のために良い成績をとることが必要とされています)。
最低基準を満たせば全員合格できますし、逆に教官が定めた最低基準に満たない者が多ければ大量の不合格者がでる形になりますので、最低基準をクリアするために必死に皆勉強を行います。
そのためか、司法修習生にはみんなで試験に落ちないようにしようという連帯意識が生まれ、二回試験に合格するための勉強道具や試験対策のツールが司法修習生の間で融通され、さらにはそれが代々承継されているものなどがあります。
参考までにこれまで不可が出た内容ですが、刑事弁護科目で明らかに無罪を争わなければならない事案であるのに、有罪を前提とした情状弁護を行った答案が不可となったケースなどがあると聞いています。
・合格発表
合格発表は例年12月の第2週の火曜日に行われ、正式には「不合格発表」とされています。文字通り、試験に不合格になった受験番号のみが発表され、自分の受験番号が載っていないことを受験生は祈ります。発表は和光市の司法研修所において機械のパネルで行われ、不合格者の番号が発表時刻にパッと表示されます。不合格者の番号が発表された瞬間、その場の空気が変わったことを覚えています。
なお司法修習生には、後日正式に、科目ごとの評価「優、良、可、不可」が郵送で告知されます。